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オレンジと太陽

 
Dsc03158
 
 
長い自粛生活が明け、私が最初に選んだ映画は
イギリス映画「オレンジと太陽」
ロードショーではなく2011年の作品です。
今、岩波ホールではコロナ事情のため新作が
中止や延期となり旧作を上映しています。
その第一弾に選ばれた作品がこちらです。
 
 
この映画を観た感想を一言で表すとすれば、
「私は初めてイギリスという国が嫌いになった…
 
 
ブログを見てくださっている方はご存知かと
思いますが、私はイギリスという国が好きで
度々訪れています。美しい庭、美味しいお菓子、
素敵なインテリア、フレンドリーな人々。
BBCのニュースなど見ていても自分の意見を
率直に言う国民の姿は成熟した国と
尊敬もしていました。でも・・・
そんな私のイメージを裏切られるかのような
大変衝撃的な実話映画です。
 
 
主人公のソーシャルワーカーのマーガレットは
ある女性から「私が誰なのか調べて欲しい」
と依頼を受けます。その女性は
4歳の頃施設から大勢の子供達と一緒に
大型船でオーストラリアに送られ、自分が
どこの生まれで本当の母親は誰なのか・・と。
そしてそんな小さな子供達が大勢いると。
はじめは信じられなかったマーガレットですが
調べていくうちに、なんと第二次世界大戦後から
1970年までに13万人という子供達が
親や子供の同意なく何も知らされず国策で
強制移民をさせられていたのです。
 
 
まさか?そんなことあり得ないでしょう・・?
でも、そのまさかは現実でした。
彼らの多くは単なる働き手として扱われ
強制労働、性暴力を受け心と体に深い傷を抱えて
今も生きている・・・。
いったい政府は何をしているのか?
憤りを覚え、調べてみたらこの映画公開直前に
オーストラリア政府とイギリス政府が謝罪を
発表していました。
イギリス政府ゴードン首相の謝罪スピーチ
(当時のオーストラリア首相も
スピーチしたそうですが見つかりませんでした)

 
Dsc03168
   当時船に乗せられて行く子供の写真です

 
彼らが失ったものはあまりにも大きく
筆舌に尽くしがたいものです。
そんな彼ら・彼女らに静かに寄り添い
事実を丹念に根気よく調べ、ついには政府の
「謝罪」へ導いたマーガレット。
原作は「からのゆりかご~大英帝国の迷い子たち
 
 
そしてこの映画の監督は
ケン・ローチの息子ジム・ローチ。
あの親にしてこの子ありと思える
静かで力強いメッセージは観るものの心を
大きく揺さぶり問題提起をしてくれます。

 

Dsc03161
 今もご夫婦で移民の方の肉親探しを続けています
            CHILD MIGRANTS TRUST



こちらの映画上映は終わりましたがDVDなどで
観ることができますので、ご興味のある方は
ぜひご覧いただければと思います。
ちなみに岩波ホールは現在1日3回上映
1回に60名ほどという少ない観客数で
消毒・検温など徹底されていて
広々とした空間で観ることができます。
マスク持参でお出かけくださいね。

 
 
 
 


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